「持続可能な “新ものコトづくり” とSDGsとの関わり」 東正則氏 2021 8/4

コラム紹介

 東 正則氏〈アズマ・ビジネス・コンサルティング代表〉

 

 

 

それでは、お話させていただきます。

今日のテーマは「持続可能な“新ものコトづくり”とSDGsとの関わりについて」ということなんですけれども、これ、ミソは「持続可能」ということ。「サスティナブル」だっていうことと、ものコトづくりに「新」って付いていることと、それから、「SDG’sとの関わり」についてちょっとご注目いただければ有難いです。

 

それで、これは四回目ということで、前回いくつかポイントをお話ししたんですけれども、私が一番重要視しているチャートで、私が書いた本の中で示しているもので、具体的には、中にですね、『曼荼羅』ということで、「大日如来」を座してですね、その中に『真善美』というものについて、”宇宙観に立って自然というものを考える”ということで、それを取り巻く形ということで、この辺からずっと展開がされております。

 

今日は、特にですね、この「6章、7章、8章」あたりがが基本的にはポイントになってくる、ということで、ちょっとご確認ください。・

それと、この中に書かれている「モデリング」だとか「プラットフォーム論」では、これは非常に重要なキーワードで、もしご関心のある方はですね、今回、論文を送らせていただきますのでご参考にしていただければ、ご理解が深まるかと思います。

また、この中に「四文字熟語」が使われていますけれども、これは、私の方で、その心を書いたもので、参考までにとどめてください。

 

 

これはある学会でですね、日本の国家、或いは天皇制というものについてスタディする機会があり、特にこの『神道』に着目した時に、先ほどのチャートとまさしく同じくハマるということで、言うなれば「日本神話」ということで、天照大神が中央に座していますけれども、こういうものとの関連においてですね、

「文化論」「文明論」との絡みで、”レジリエントな世界”、或いは”スマートな世界”、ということで、古代では”助け合いの律令国家”だったり、或いは最終的には、”常若(とこわか)という、ひとつの、ウェルビーイングの話をを示唆するような話” が載っておりますし、

海老原さんの話にもよく出てきますけれど、「自然崇拝」というような辺りで、ひとつの(方向に)帰結しているということです。

これは「エコシステム」、一つの日本的な視点かなと思います。

 

そして、ここに「ディープエコロジー」って書いてありますけども、これはある面ではノルウェーの哲学者が述べた話で、これと非常に関わりがあるということを、ちょっと頭の片隅に入れておいてください。

 

 

これは、具体的には先ほど言った話で、今日は時間もありませんので省略しますけれども、基本的なポイント、本質的なポイントだけを書いておりますけれども、特に「レジリエント世界」、「スマーターな世界」、「エコシステム」、ということで、この中でも重要なのは「大災害の強靭性と復元性を持った世界」がこれから構築することが求められる、ということです。

 

また、「スマーターな地球保全」というのが必要である、ということと、特に「エネルギーミックスと水と食料」との関連、というのは、これから”コンサーン”持たなくてはいけない。

 

それと最後は「エコシステム」ということで、「自然資本主義は実践」するのはとにかくとしてですね、これから次世代の世界にですね、言うならば、「地球保全して」、「安寧を保証していく」というのが我々の世代の求められているところであります。

 

 それで、「CSR」という言葉はみなさん知っていますけれども、少々手垢がついていますけれども、この「CSR」に引っ掛けてですね、その心をちょっとだけ整理しますと、もう一回言いますと、

「5C」ということでは、これ、私が作り上げたメソドロジーで、IBMの改革の時にも使われた、世界的に使われた方法論なんですけれども、新規事業であるとか新しいことをやる、ということであれば、「着想化」からあって、「着想化」、「融合化」、「構想化」、「共鳴化」、「協働化」、ということで、特にこの『イノベーション・ジャム』と『経営市場実験・体験』とか、こういう体験を通じて、「プロトタイピング」(*1)だとか、「シミュレーション」なんかを使いながら、具体的に非常に迅速な形で、「開発」「イノベーション」をやっていく、という一つの流れです。

 

特に「光るアイディア」とか、「異化相互作用」(コンフリクトする)ということの重要性であるとか、「コミュニケーション=共鳴・共振・共感の輪」を広げていくということと、そういうものの知恵の元で組織的に勉強してですね、失敗に恐れることなく、失敗から学ぶというような一つの思考と、ただ論理思考だけでなくて、”感性”とか、このようなものも大事にしていかなければ、なかなかイノベーションできない、あるいは新規事業なんてできない、ということでこれを位置付けています。

 

 その中の『産業構造論』ではですね、これ、「5S」ということで、この「サービスアライアンス」のSを取っているんですけれども、非常に、ここに最終的に書いている、日本の企業っていうのは、企業城下町を形成しているのではなくて、これからは、”水平融合型”であると。

”「異の世界と染まっていく」ということが、非常に「新しいものコトづくり」には非常に重要である”

ということを言っています。

昔のように、トヨタさん、或いはパナソニックさん、三菱重工さん、その辺りは全てもう私がご支援させていただいた企業さんなんですけれども、”地方における城下町”を形成してですね、やはり「垂直統合型」的な思考が非常に強くて、すり合わせとかそういうのを、自分たちの強みという形で強調していましたけれども、それだけでは、もうこれからはだめですね、ということで。

特にこれからは「スタンダード」、或いは「課題解決ソリューション」、「システム」、「ソフトウェア思考」、それと「サービス水準」ということで、この『5S』の思考が必要になってくる。実を言うと、これ深く堀り込んで行きますと、皆んな、日本人が意外と不得手とする一つの思考ではないかな、というふうに思っております。

そういう意味において、”産業構造を根本的に見直す”ということも、これからは大いに問われることではないか、というふうに思っております。

 

これはCSRの『R』、最後ですけれども、これは約20年前に提出させていただいたんですけれども、経営工学会で、まあ、言うなれば、”持続可能性のある経営”というのをやるためには、単に、”企業としての「顧客価値」を追求する”だけではなくて、

”「環境負荷」という、或いは「地球資源」というものを意識した形で、ものコト作りしなきゃいけない”

ということで、《自然資本主義》というものを提唱させていただいたものです。

 最終的にはこの「5R」に代表されるように「Reduceリデュース」ということで、

”徹底的にエネルギーをセイヴィングし、省エネ化し、廃棄物を少なくする”、という、ここからから始まって、「Repair リペア」というところで、”製品とか商品を延命化させる”、徹底的に、修理とか保守とか、CDMとかTBMというものなどを重要視する、と。

まあ、そういうようなことと同時に「Reuse リユース」というのと、やっぱり「Refurbish  リファービッシュ」とだとか、まあそういう「Remanufacturing リマニュファクチャリング」というようなものも含んでの「Reuse リユース」ですが、最後に「Recycle リサイクル」というものが出てくる。

 それよりももっと重要なことは、真ん中に位置付けている「Restyle リ‐スタイル」ということなんです。

”チェンジマインド”というのは、「意識改革」とか「行動変容」が伴わないと、だめだということで、まあこの辺のことを、約20年前に提唱させていただきました。

これをもってCSRだというふうにさせていただきました。

 

 

さて、こういうことで、具体的には、これは広井良典先生が述べていることですけれど、これからは地球の”グローバル・コモン”というものを大事に考えて、

”「地球倫理」と統合された「人間社会のウェル・ビーイング」を見つめ直す時である”

ということが言われています。

 

そういう意味において、”スマートシティの視座” っていうのは、「テクノロジーの活用」によって、“社会の最適化”だけではなくて、

“地球倫理を踏まえた人類社会の文明観へと昇華すべきである”、

ということです。

 「地球倫理」と「自然信仰」ということで、この中に、「普通宗教」とかそういうものも展開していますけれども、これイスラム教とか、キリスト教とか、ユダヤ教とか、ヒンズー教だとか、と、こういったものが展開されているわけですけれども、

こういうものからジャンプアップして、「産業活性化」、「産業革命」を通じて「産業社会」へ入って行ったわけですけれども、実はここの間に、“ここ70年から80年かなんかにおいて「人新生(ひとしんせい)」というような新しい局面を迎えて、“かなり地球にダメージを与えている”ということの気づきがですね、そういった中で問われるのが「地球倫理」である、と。

そういうようなことと、この「自然信仰」というものと、大いに繋がっているということを、ちょっと確認しています。

 

 

これは私が文書化していますので、話はさらっとしますが、”「ものづくり」から「ものコトづくり」に移っていく必要性”、ということです。

それと、もっと「新ものコトづくり」ということで、特にこれからは、「脱工業」、「複合産業」また、「持続可能なスマートシティ」というものを視野に入れていく必要がある、と。

そして、その時に『超製造業』という概念を、前回、提唱させていただきましたけれども、『超製造業』になり、もうこれからは、

”「製造業」なんていう括りではなくて、「サービスプロバイダー」というような思考が求められている”。

それと〈生活者・消費者〉というのもですね、〈超生活者〉になり、まあ”意識も改革し”、

”賢い〈超生活者〉になっていく必要性があります”、ということです。

それと意識していただきたいのは、この、〈もの〉っていうのはただ単に、「部品」とか「材料」とか「製品」とかいうものではなくて、農業で作っている、或いは木材である林業・或いは魚とか、こういうものも対象になってくる、ということで、もうちょっと視野を広げた「ものの概念」、ということと、これからはかなり「地域」というのを意識した形で、その、スマートシティに代表されるような、

”持続可能な世界や、スマートシティをつくり上げるためには”、”個々の企業というのはやはり、「サービスプロバイダー」的なミッションを持つべきではないのか”、ということを言っております。

 

 

で、これが今流行りの「サーキュラー・エコノミー」の概念ですけれども、もともと20年前から私自身は、「サーキュラー・ソサエティ」という形で提唱させていただいてたんですけれども、要は「再生可能資源」という流れと、「枯渇性の資源」の流れがあってですね、こういう一つの流れの中で、こちらが生物系のサイクルであって、こちらは技術的なサイクルであると。

で、まあ、このものが一体化して回っていくわけですけれども、この左側の「生物的サイクル」っていうのは、”カスケードなリサイクル”が展開されていて、まあ、バイオケミカルとか、コンポストなんかに占めてる微生物によって堆肥を作ったり、或いはバイオガスを作って、という形の流れというものと、それともう一つは、先ほど述べましたように、「メンテナンス」とか、あるいは「修理」だとか、そういうものの ”小さいループ” ですね。

そういうものから「リユース」だとかにつながって、「リマニュファクチャリング」とか,大きな「リサイクル」,、という構図を回す、という、一つの流れが意識されたものが『サーキュラー・エコノミー』だっていうのは、皆さんもご存知の通りです。

 

 

これは非常に重要な話で、今日的ななチャートですけれども、「ソフト」と「ハード」と、「自然物」と「人工物」を四象限に配置したものですけれども、言うならば、「人・社会のレイヤー」、「デジタルのレイヤー」、「社会資本のレイヤー」、「自然資本のレイヤー」という一つの『レイヤー論』を構成しているんですが、

特に「人の社会のレイヤー」では、”ウェルビーイング” というものが、言わずもがなが問われているし、

「デジタルのレイヤー」では、デジタル化社会、特に”包括的データ戦略”というものが、後でまたちょっと触れますが、こういうものが問われ、

「社会資本」では、”コンパクトで、ネットワーク型の地域生活圏”というものと、”レジリエンスな社会”というものが、求められていますね。

最後はその、「自然資本レイヤー」では、脱炭素、あるいは循環経済社会、まあそういう経済社会というものが問われるのは、先ほど言った通りです。

そういう意味において、『新ものコトつくり』というのは、かなり「シティ」だとか、「コミュニティ」とか、こういうものを意識したところで、展開されていくべきである” と、いうことで、

こういうものの中には、特に”都市OSの重要性”であるとか、”デジタルインクルージョン”であるとか或いは具体的には”ゼロ・カーボンシティ”であるとか、こういうようなもの、あるいは「生物多様性」、こういうようなキーワードがかなり意識されて、”エコシステムというものが展開される”、と。

 

 

これは、ちょっと、私も政府のほうで、かなりお手伝いした経緯があるのですけれど、こういうものを結構作ってアドバイスしたり、メンターなどしたりしてきたんですけれども、なかなかこれがエンベディド(埋め込み、定着化)されていないのが現実で、日本が、かなりDXの分野では遅れを取っているというのが現実です。

そういう意味では日本でデジタル庁とかそういうものが発足しているのも、そういう背景かなというふうに思っています。

 

 

これは私、基本に戻って申し訳ないのですけど、これは「持続可能性」というのが、”わかっているようでわからない”ので、リマインドしたんですけども、これ、上の方に”「持続可能性のある開発」とは、「将来の世代の生きる権利を犠牲にして現代人が現在の欲望を達成すること」ではない”、ということで、これが私の主張するところで。

まあアメリカ先住民の有名な言葉は、”我々、今を生きる人間は子孫からこの大地を借りて生きている存在である”のだ、ということで。

「経済」、「人間社会」、そして、「地球生命支援システムの環境」ということで、これが、”持続可能性が求められる対象”なんだ、ということです。

これも基本的な話ですけれども、非常に重要なので、リマインドしました。

 

 

これは、言うなればプロセス、これ、プロセスというのはビジネスプロセスです。

その概念がなかなか日本人には理解できないみたいですけれども、Raw Materials ローマテリアル・Chemicals ケミカルズ、そして、Energy エナジー が入って、なるたけ、Emissions エミッションとかWaste ウェーストをゼロに持ってくる。

それで、出てくるものが〈プロダクトサービス〉である、ということで、グローバル視点では、「温室効果ガスの問題」とか、「気候変動の問題」とかを抱えている。

地域の視点では、「富栄養価」。「リン」だとか「窒素」だとかに対処する問題のことですが、こういう問題とか「PM2.5」とか、こういうものがあるとか、或いは、地方視点では、熱海の事故にあったような、「土地崩落・表面土壌損失」だとか、かなり定常的になってきましたけれども、「線状降雨帯と河川氾濫・土石流」こういうようなものが常態化している、というようなことがあります。

それと「水資源の枯渇」なんていうものも心配な一つです。

 

 

でこういったことを考えますとですね、結論的には「地球温暖化」とか「気候変動」は大きな問題で、「プラスティック問題」もあるし、「水と食糧の問題」もある。

これは全て、「大気」とか「土壌」、「水圏」ということで、〈グローバルなコモンズ〉、言うなれば=〈社会的共通資本〉というものにダメージを与えているということで、地球というものは成立しなくなる。こういうところから出てきたのが何か、と言うと、

 

 

2020年かなり引きつけたところでも、ですね、まあ、2018年、2019年、2020年においても、

“北極圏の8割の氷床が溶け出している”とか、

あるいは“豪州で大火事になって、30億匹の動物が無残にも死んでる”。

あるいは、“アマゾンのサバンナ禍が始まって、森林破壊が行われている”。

それと“地球上の表面の帯水層に、もう、水がじゃんじゃんなくなっている”、という、

アリゾナなんかでは大変な勢いで、あと10年しか持たないんじゃないか、という話が、トウモロコシのプランテーションなんかでも言われています。

それと「農薬・化学肥料による土地の劣化」の問題、これはもう皆さんご存知でしょうが。

それから「飽食と食品廃棄」、それと「食べ物連鎖の断絶」、それと「海洋プラスティック問題」、そして、それ以上にですね、「プラスティックがナノプラスチック化」して、これが”胎盤だとか、脳とか血液の中に侵出している”という実態がある。

 

今日は時間が有りませんのであまり説明しませんが、この中で、対策なんかもいろいろあってですね、具体的に”問題提起だけじゃなくて”、いろいろな”対策が打たれている”ということで、特に「手抜きの不耕起栽培とか植林」、或いは「人工動物肉の製造」ですとか、こういう辺りも展開していますし、「新しいループによるビジネスモデル」という辺りも注目に値するところです。

 

こういうようなものと同時に、やはり若い世代に対していろいろ洗脳し、具体的な教育だとか、こういう啓蒙活動っていうのが必要なんじゃないか、っていうふうに思っています。

 

 

これは『プラネタリーバウンダリー』(*2)ということで、ちょっと話が長くなってしまいますが、ご案内の通り、これは”地球の健康状態”を表してまして、9つのカテゴリーにおいてですね、かなり問題があるということで、言うなれば、ここら辺が人間の生物体の生態系の生存領域ですけれども、”かなり突き抜けちゃっている”と、”かなり危険な状態だ”っていう、皆さんのご存知の通りです。

 

 

これらを表したもの、同じ図ですので、これはスキップします。

 

 

そして、覚えていただきたいのがこれで、地球はですね、この〈スレッシュホールド(threshold 閾値)〉(*3)という、ここからこちらの方、右の方に行ってしまえば、これはもう手遅れだ、ということで、今、ここの状態の中でとどめるべきだという、これが、『プラネタリーバウンダリー』になってますけど、言うなれば、この ”Control variableコントロール・バリアブル→制御変数” というものの限界に差し掛かっていて、この応答変数(Response variable→応答変数)が、もう、このように下がってきちゃってるとうことで、ここ10年の間に手を打たなかったら、2050年、或いは2100年には、”もう地球は持たない”ということが、もう、ほぼ科学的にも証明されつつある、という状態、それが『プラネタリーバンダリー』が教えていることです。

 

 

これは有名なチャートで、算定式ですが、I=P・A・T(*4)ということでそしてPopというのは、ここは「人口」です。それと、”Person分のGDP”というのは〈affluence(アフルエンス)→[豊かさ、豊富、富裕]〉ということで、これは言うなれば、〈Material standard of living マテリアル・スタンダード・オブ・リビング→物質面での生活水準〉

それから、”GDP分の Ⅰ=インパクト” っていうのは、「テクノロジー・ファクター」であって、これをうまく応用することによって、先ほどの『プラネタリー・バンダリー』に対する対処策を考えて行こうじゃないかということです。

 

 

そういうことにおいては、I=P・A・T というものは、人口動態というのが、かなり当たるわけですけれども、2050年には100億人になる、というのが、ほぼ、近くなるということが言われていますけれども、もっと大事なのは実はこの、”パーソン分のGDP” であって、これは言うなれば ”余裕度” を示す、”経済余裕度”を示すんですが、こういうものは、日本はものすごく、今、これが低調です。でも、焦ること無し、世界的に先進国は低調。新しい世界の経済の再設計が必要です。

でもでも、先進国、OECD加盟国の中でも24番目ということです。どう考え、設計するか?

それで、この、”GDP分の I =インパクト “ というものも重要視して、これはもう、「技術的対応」を求められているということで、こういうものを使って、対処法を意識する必要がありますね、ということです。

 

 

このようなことと同時に、「エコ効率性」というエコエフィシエンシー(Eco Efficiency)というものを意識すると、”「インパクト」(環境的影響)分の「ものコト」(機能的成果物)” である、ということで、これは、ある程度「テクノロジー要素」っていうものと、一つの《逆相関》になっていて、「技術的要素」と《相互作用性》があるということをずっと頭の片隅においておいておく必要があります。

 

 

これは、国連で発表された、2015年に提唱された【SDGsの17個のゴール】ですけれども、こういうものにマークして、「赤の部分」が、”ピープルに関する”、で「ブルーの部分」は 、”Prosperity プロスペリティ→(繁栄)に関する部分”、で「緑の四角の部分」は、 ”プラネットに関わる部分”、「Tって書かれているところ」は、”テクノロジーの分野”ということで、ここのあたり一章、二章、と・・

これは私の方で書かせていただいた本と、対応付けて書かれております。

Vは日本の評価が比較的に高かったところ、光マークは、評価が低く、課題が大いにあると言う指摘を国連機関から受けております。

 

 

これは言うなれば、ウエディングケーキみたいですけれども、一番下のリング、ここは「生物圏」で、その上で「社会」と「経済」が成り立つということ。

ここが、今、ガタガタになって来てると。特に、先ほどのSDGsの中で特に重要なのが13番目の「気候変動」ということで、13、14、15、それと第6番目というものの「水」の部分ですね。

これが一番、コンサーンしなくてはいけない生物圏の一つの土台になっているっていうことを、リマインドしておきたいと思います。

 

 

これは言うなれば、これからの時代というのは、“「地域」というものと「都市」との関係というものを、うまくブリッジさせて”、”サーキュラー化しなくてはならない“、ということで、「食料とか、水とか、木材の還元」ということと、「自立分散型の社会」をこれから形成することを求められている。

「支え合う」ということが重要であって、ある面では”「自立分散型の共生社会」というものを創りあげる”、ということがテーマであって、森があって、ここにいろんな木があるわけですよね。里山があり、海があり、これは言うならば “地球上のグローバルレベルでの一つ〈コモンズ〉である” ということ。

こういうものを意識して、こういうものをサイクリックに回していく、という世界を、”「概念」じゃなくて、もう「具体的に展開」しなければいけない”。

ということで、あちこちで、こういうものが、レギュレーション(政令化)されようとしているんです。

 

 

これは、私の最後の話ですけれども、これからの「新しいものコトつくり」で問われること、というのは、これからは「災害」、「事故」、「停電」とか、そのようなものが多いですので、万が一に備えて、”レジリエントな世界を創る”、という、そういう「SCM(サプライチェーンマネジメント)(*5)が問われていますね、ということで、”「エコロジー」を意識した社会インフラを整備していくこと” が必要である、ということです。

それと、「倫理的サプライチェーン」ということで、サプライチェーンの中に、「児童労働」であるとか「強制労働」というのはあってはならない、ということで、デューディリジェンスの、一つのアプローチっていうのが求められている、ということ。

それと「サーキュラーエコノミー」の実践を透明化することが重要で、「大量生産・消費・廃棄」を牽制して、”使いたおしていく”という一つの考え方、アプローチが必要である。

それと〈Design for environment デザイン・フォー・エンバイロンメント〉ということ。

ものごとをやるときに、デザインとか企画段階から、もう、既に、〈LCA ライフ・サイクル・アセスメント〉或いは〈LCC ライフ・サイクル・コスティング〉をやる、ということは、言わずもがなである。

それと〈サプライチェーン・マネジメント〉の中に、「DX デジタルトランスフォーメーション」というのが必ずありますので、こういうものを ”末端まで追跡可能な形にしていく” ということで、透明度の高いスキームの為にはどうしても「IoT」とか「ブロックチェーン」というものが要素技術として求められる。

その他、「ノード」、「トラフィック」、「リンク」、「オペレーション」というもの、これはちょっと専門的な話になってしまいますので、ちょっと省略しますけれども、

”ネットワークを通じて地方を活性化して、そこをブリッジにかけて、首都圏の集中っていうものを牽制する必要がある”。

そして、「資源環境性(GOODs:有価物・有償物)」と「資源汚染性(BADs:逆有償の世界)」というものがあるんだということで、これを切り分ける能力を人間は持たなくてはいけない。

昔は、「cradle to grave」という「ゆりかごから墓場」という話がありましたけれども、これは、今に至っては、これからは「クレーディル to クレーディル」?という、そういう思考が求められている、ということと、もう一つは〈regulationレギュレーション〉(*6)、法律に関しては、「ハードロー」というものにばっかり引っ張られるんじゃなくて、これからは「ソフトロー」というものも大事にしていくという必要と、それと、あまり、「law ロー」、というか「regulation レギュレーション」に注目しすぎると、「イノベーション」が阻害される、そのバランスをいかに取っていくか、ということがこれから必要です。

それから、”コトづくりに長けた人材”ということで、これからは、「俯瞰的なものが見える人」、あるいは「プロデューサー型」、或いは「アーキテクト型」、それと「生活者視点」、ということが求められると同時に、「ビジネスの出口論を語れる人」がこれからリーダーシップとして求められている、ということです。

 

 

「新ものコトづくりとSDGs達成のための課題」ということで、ちょっと、皆さんに提起してですね、この辺を議論していただくとありがたい。

 

”「地球的課題」に対してマインドセットをどう変革すべきか”、それと、

”「ものコトづくり」でなぜDXは台頭しないのか、低調なのか”、

”なぜ素晴らしい技術・技能・文化を持ったエコマインドに長けた人間(日本)が、世界を リードできないのか”

ということで、この辺に対して、私自身は、それなりに解は持っていますけれども、皆さんのご意見をぜひ傾聴したいということで、提起させていただきます。

少々時間が来てしまって申し訳ありませんでした。これで私の話は終わりです。

 

 

今日の話は、実はここの、先々月に、6月15日の国際会議に、私、梅田先生のお誘いで出たのですが、その時の資料をいくつか使っています。

どうもありがとうございました。

 

 

 

(*1)prototyping

プロトタイピングとは、製品開発のために製品原型あるいは試作品であるプロトタイプ作成する開発手法である。

 

(*2)プラネタリー・バウンダリー(Planetary Boundary )

地球の環境容量を科学的に表示し、地球の環境容量を代表する9つのプラネタリーシステム(気候変動、海洋酸性化、成層圏オゾンの破壊、窒素とリンの循環、グローバルな淡水利用、土地利用変化、生物多様性の損失、大気エアロゾルの負荷、化学物質による汚染)を対象として取り上げ、そのバウンダリー(臨界点、ティッピング・ポイント)の具体的な評価を行ったもの。

環境用語集:「プラネタリー・バウンダリー」|EICネット
約3000語を収録した環境用語集です

〈参考記事〉

地球の限界 “プラネタリーバウンダリー” & 循環型社会

~世界と日本の取り組みからみんなでできることを考える~

地球環境研究センター 交流推進係

地球の限界 "プラネタリーバウンダリー" & 循環型社会~世界と日本の取り組みからみんなでできることを考える~ | 地球環境研究センターニュース

(*3)スレッシュホールド(threshold)                                                                   https://www.weblio.jp/content/threshold

(*4)I=P・A・T

〈参考記事〉

「人口と環境問題」

https://www.apda.jp/pdf/e_newsletter/enews_no55_jp.pdf

アジアにおける環境インパクトの比較研究                                     内嶋善兵衛 〈前宮崎公立大学学長/お茶の水女子大学名誉教授〉 

http://iccs.aichi-u.ac.jp/archives/report/013/013_03_12.pdf

 

(*5)SCM((サプライチェーンマネジメント)

〈参考記事〉

サプライチェーンマネジメント(SCM)とは何か? 基礎からわかる仕組みと導入方法

https://www.sbbit.jp/article/cont1/34345

 

(*6)レギュレーション

〈参考記事〉

「レギュレーション」の意味と業界別の使い方、類語「ルール」との違いは?

「レギュレーション」の意味と業界別の使い方、類語「ルール」との違いは?
「レギュレーション」という言葉をご存知でしょうか?聞いただけではパッと意味が出てこないという方も多いのではないでしょうか。今回は、「レギュレーション」の意味と使い方を解説します。また、「レギュレーション」と似た意味で使用されている「ルール」との違いや、言い換え表現も紹介しますのでぜひ参考にしてください。

 

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