「鎌倉市民ごみコミュニティの現在」 平野りえ氏 2024年12月3日

2024年12月3日

「鎌倉市民ごみコミュニティの現在」

平野りえ氏

ゴミフェス532

前回、実は、呼んでいただいて、

『ゴミフェス532(ゴミニティ)』という、市民発の、

”ゴミ減量をみんなで楽しく、コミュニティの力で解決しよう!”というものを、 プレゼンさせていただいたことがあるんですけれども、

”その後どうなっている?”、というふうに、原田先生からもお声がけいただいた ので、ちょっと今日は、”その後、532(ゴミニティ)の皆さんがどんなふうな 展開をしたのか”、ということをお話させていただきたいと思います。

これ、繰り返しになっちゃうんですけれども、

”コミュニティの力でゴミ問題を楽しく解決”、ということで、この写真、5月26日 に第4回目になりまして、開催した写真となります。

今回、無印良品さんが場所を貸してくださいまして、”ひらけ、ごみ!”、という のをテーマにして、展示も1ヶ月ぐらいやらせていただきました。

その中に「資源ステーション」っていうのも作って、あと相変わらずやっているゴ ミについてのトークショーみたいなもの、あとワークショップ、それをやって、か なり多くの方に参加いただきました。

簡単に、また前回のちょっと繰り返しになってしまうのですが、 鎌倉市の背景としては、

2018年に由比ヶ浜海岸で、シロナガスクジラの赤ちゃんが見つかった、その胃の中 に、ビニール袋というか、結構プラスチックがあった、ということが、全てが原因 じゃないんですけれども、こちらを衝撃的に皆さん思っているので、かなりビーチ クリーンをすごく積極的にやっている町になります。

そして、これ「いよいよ閉鎖」と書いてありますが、鎌倉市の背景のもう一つとし ては、

燃やすゴミ、家庭ゴミの燃やすゴミの焼却場がいよいよ12月に閉鎖となります。 もう徐々に大型のものは閉鎖になっているんですけども、

”そうしたら、私達、自分たちでゴミを減らさなきゃいけないね”、というのがき っかけになって、それでゴミフェスは出来上がりました。

トークショーの中では、

鎌倉市自体も、市の方でも、一生懸命ゴミを減量させる、削減させる、という対策 を取ってくださっているので、

「それをしっかりと市民の方に伝える」という役目もゴミフェスではやっていま す。

私達が、「コミュニティ」というふうな力で、”ゴミ問題を自分たち市民も知るこ と”、そして、

”「それをどうやって解決できるのだろう?」、というのは、行政とかだけに任せ ないで、自分たちだってできるよね”、というアイディアを、自分たちの立場を超 えて無理なく楽しく続ける、そんな団体でございます。

たくさん、10個ぐらいですね、「部活動」というのができていまして、

さっき紹介したのは『ゴミフェス532(ゴミニティ)』というフェスになってい て、一年に一回行われるんですけれども、一年に一回だけでは、どうしてもゴミな んて無くなってはいかないので、

日々皆さんが自分で”旗を立てて”ですね、「部活動」というのを日々やっていま す。

皆さんが気になるゴミっていうのは、総称するとゴミになっちゃうんですけど、ゴ ミになる前っていうのは、

食べ物であるかもしれないし、生活用品、洗剤なのかもしれないし、あと、原田先 生もやってらっしゃる都市鉱山、パソコンかもしれないし、教材かもしれないって いうことで、

皆さんがそれぞれ関心のあるものに入っていただいて活動をして行っております。 で、これが、ここからなんですけれども、

今あった[キエーロ](*1)っていうものの、「コンポスト部」の方では、今、 展開としては、いよいよカヤックさんの方で、カインズホームさんとの提携をして いるので、

[FabLab KAMAKURA](*2)っていう、自分のお家に一番合う形で、デジタルで大 きさを決めて、それがお家に届いて、キットとして、キエーロを販売する、という ところまで、今、形が出来上がってきています。

なので、市民の皆さんと一緒に、今、ちょっと実証実験中ですけれども、お家で、 どこでもキエーロが買える、と、そんな仕組みができあがってきています。

@キエーロ、生ごみ半減

キエーロっていうのは、もちろん、「黒土の微生物の中に生ゴミを入れれば分解さ れる」っていうものではあるんですけれども、

今、放置竹林の問題とかも各地であると思うんですが、竹の粉砕機により得られる 竹チップでも土の代わりに生ゴミを分解できるということがわかっていますので、 慶應義塾大学と一緒に竹チップを購入しまして、実証実験として、今そんな活動も 広がりました。

@ゴミフェス532から、発展 プロギング

あと、プロギング(*3)をしているプロギングリーダーの鎌倉のリーダーさん は、今、ゴミニティーの活動でですね、かなりたくさんのメンバーができたので、 そのメンバーも一緒に手伝いながら、

[Kamakura Jeans](*4)という、私達の古着のお洋服を回収しているところか ら、全部、ウエスにもならないような、本当にもう短くなった繊維の方を拾い、コ ットンを買い取って、それを綿にして、それをまた撚ってですね、糸にして、それ を30%入れ込んだ鎌倉ジーンズっていうのを販売して、今かなり活動中でございま

す。

あと、「中身だけ部」と言って、”私達は「容器」が欲しいのではなくて、「容器 の中身」が欲しいのだ”、ということで、「容器包装の方を少し減らしていく活 動」というのも実はやっていまして、

その中で、「飲食店から出るテイクアウトのゴミ」、あと、「イベントで出てくる テイクアウトのゴミ」、これを何とかしたい、というところでですね、

[Megloo](*5)というものを、一緒に活動をしています。

Meglooさんは、もう本当に会社になっているんですけれども、全国で、かなりいろ んなところでも使われるようになっていて、

今、ここで出ていますけれども、「材料を作る」というところでもCO2がもちろん出 ますし、「そのゴミを廃棄する」というところでもCO2が出る。

でも、Meglooはもちろん「水を使う」ので、その部分を相殺したとしても、「運搬 料」とかですね、全部相殺しても、本当に、「CO2も90%削減できる」ということ で、

今、神奈川県知事の黒岩さんが結構推奨してくださいまして、この間、スタジアム でも1,000個のリユースを使うというのをね、結構やってたりしています。

あと、これから最後のページになるんですけども、『鎌倉サステな学校プロジェク ト』(*6)と言って、

”教材をサステナブルに変えたい”、という1人のお母さんから始まった部活動には なるんですけれども、それがかなり大きく展開しまして、

”植木鉢をサステナブルなものに変えたい”、というのはもちろんやっているんで すけれども、女の子が1人だけ私の横に写っていると思うんですけれども、

このユキちゃんという女の子が、自分がSDGsの勉強をした後に、”私、できること は明日からないかしら?”、ということで、

”学校のストローをなくしたい”、というふうに、学校でプレゼンをしたんですよ ね。

そしたら先生とかもすごくいろいろ協力してくださって、すごくたくさんのストロ ーを集めてきたんですけれども、

とうとう6年生になるときに、鎌倉の教育長と教育委員会が、本当に、”何とかこれ は実現を、一歩ステージを上に上げたものをやっていきたい”、と、すごく協力を してくださってですね、

”鎌倉市は地球に還る、微生物で分解できるストローに変えます!”、というふう に舵を切ってくれたんですね。

これ、新しい教育長さんですけども、こういったふうに、一歩、子供たちが、”頑 張っていきたい!”、というところの気持ちを応援しているのが、『サステな学校 ぷろじぇくと』だったりするので、

これがまたさらに展開をしまして、

これ、最近の情報なんですけども、

[ニシカマエンシス]という名前をつけて(*6)、ストローを実際に花壇に入れ て、

”じゃあ、微生物が本当にプラスチックを分解するのか?”、という実験をずっと 慶応大学と進めてきたんですね。

これは宮本先生(*7)という先生なんですけれども、この実験がかなりうまくい きましてですね、

「PP(ポリプロピレン)のプラスチックを土の中の微生物が分解できる」というと ころの研究発表を最近出しました。(*8)

その新種が見つかったので、その微生物を、子供たちと一緒に名前をつけたとい う、本当に最新情報なんですけども、

こんなふうに展開していったよ、ということをちょっとご報告しました。

もう一つはですね、先ほど、”植木鉢をプラスチックのものじゃなくてサステナブ ルのものに変えたいんだ”、というふうに声を上げてくれた、この川田千代子ちゃ んのお母様なんですけれども、

その後どういう展開をしたか、と言ったら、

”自分のおうちで、改装して、情報発信の場所にしたい”、ということで、

有機農家さんとか、そういった農法とか、あと安心できるお野菜というのを自分の うちで売りながら、あと量り売り洗というものと、あと、キエーロの勉強会とか、 すごい、いろんな情報発信を始めた、というのが、一応展開となります。

その後ですね、〚鎌倉サーキュラアワード〛(*9)というのも、慶應義塾大学と 一緒に、”一般市民の方から募集をしよう”、ということで、

「ゴミを削減するアイディア」というのを、一般の方から募集しました。

すごく、スタートアップとか、いろいろあるんですけど、私は市民部門の方を担当 させてもらって、本当にたくさんの子供たちとか、

すごく素敵な動画がちょっとあるので、先ほどのユキちゃんが、表彰される動画を ちょっとご覧ください。

”奨励賞を発表させていただきたいと思います。

原澤幸希さん、こちらの皆さんを今回の奨励賞とさせていただきました。”

”賞状、市民部門、奨励賞、原澤幸希様、おめでとうございます。”

幸希さんは本当に小学校の頃から活動を進めて、でもやっぱり広めていくためにい ろんな壁がありつつも、めげずに諦めずに、そして今回、より多くの人がそれを広 げていけるようなアイディアを考えてくれました、それがすごい素晴らしいなと思 いました。おめでとうございます。”

(幸希さん)”この度はこのような賞をいただき本当にありがとうございます。私 はこの先の地球の未来を考えるのは、大人だけじゃなくて、未来を作っていく子供 たちにも、このようなことを考える必要があると思います。ここで立ち止まらず、 活動を私はずっと続けていきたいと思います。”

これ、どうしても、入れたかったんですけれども、ちょっと、もう、今見るだけで も涙が出ちゃうんですけれども、

彼女は、さっき言った、”ストローをなくしていきたい”、と、勉強してきて、

自分も子供なんですよね、もう、中学2年生、まだ子供だと思うんですけども、なの に、

”私達大人だけがやるんじゃなくって、子供たちもこういうことを考えていく必要 がある”、ということを語ってくれた、この小学生たちは、もう、”おねえちゃん が金賞を取ると思っていた!”、と言っていたぐらいなんですけれども、

そういう、お姉ちゃんがちょっと前にいて、”私はさらにこのまま活動を続けてい く”、と、そんなふうに語ってくれた、というのが、本当にゴミニティーの中の鎌 倉の、なんか本当にまた、大人たちも勇気が湧いた鎌倉サーキュラアワードになり ました。

これで終わりなんですけれども、

とはいえ、ゴミに関して、皆さん、コミュニティを作ってどんどんやっている最中 ではありますけれども、でも全然課題は、ちょっとしか進んでいない状況だとは思 っているので、

これからも皆さんで続けていって、皆さんをちょっと、見守りたいなと思って、私 自身も、活動を続けていきたいと思っています。

でも、みんなで、やっぱり力を合わせて、”自分たちが得意なこと”、というの は、皆さんそれぞれあると思うので、

それをみんなで力を合わせて頑張っていきたいな、なんて思っております。 はい、以上です。

ありがとうございます。

ご清聴ありがとうございました。

(*1)キエーロ

生ごみ消滅 | kiero official キエーロオフィシャル
微生物のチカラで生ごみ消滅。 「キエーロ」は土の中のバクテリアのための家です。特別な菌は必要なく、黒土1グラムの中に数億個のバクテリアがいて生ごみを分解し、ほとんど増えることはありません。 やがて栄養豊かな土になり、堆肥としていつでも使うことができます。 さあ、キエーロで生ごみを消しましょう! kiero.offici...

〈キエーロ ホームページ〉

(*2)FabLab KAMAKURA

Fabが身近なまち鎌倉~市民のための工房「FabLab」で生み出されるDIYの精神~ https://kamakura-city.note.jp/n/nfd5c5838ebe3

〈鎌倉市 ホームページ〉

21世紀型の学び場 | ファブラボ鎌倉 | 鎌倉市
ファブラボ鎌倉は、デジタルからアナログまで様々な手段を用いて、つくりながら考えていくことをモットーに活動しています。世代、分野、国境、固定概念を越えて共に学び合う鎌倉の市民参加型の実験工房、かつ現代版のハイテク寺子屋です。試行錯誤を繰り返し、想い描いたアイデアをカタチにするための力を育みます。 FABLAB(ファブラ...

〈FabLab鎌倉 ホームページ〉

(*3)プロギング

SDGsなスポーツ「プロギング」とは?注目される理由と参加方法・事例を紹介 https://eleminist.com/article/2861

〈ELEMINIST〉

(*4)Kamakura Jeans

KAMAKURA JEANS
KAMAKURA JEANS

〈Kamakura Jeans ホームページ〉

(*5)Megloo

Megloo(メグルー) | 使い捨て容器ゴミを削減するリユース容器シェアリングサービス
リユース容器シェアリングサービスMegloo(メグルー)は、使い捨て容器の代わりにリユース可能な容器をテイクアウトし、対応店舗に返却することでゴミを削減させるサービスです。飲食店、利用者、そして環境にも嬉しい。ゼロウェイストでサステナブルな街づくりを目指します。

〈Megloo ホームページ〉

(*6)鎌倉サステな学校プロジェクト

HOME | サステな学校プロジェクト

〈サステな学校プロジェクト ホームページ〉

学校教材も脱プラスチックしませんか?~鎌倉発、教材サステナブル化プロジェクトが見据 える教育の未来~

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/13c1ac6422978eeec618b05a822c1a192ac58713 〈Yahooニュース〉

(*7)宮本先生(宮本 憲二 慶應義塾大学理工学部教授)

慶應義塾大学理工学部生命情報学科

生物機能化学研究室(宮本研究室)

http://www2.bio.keio.ac.jp/~kmiyamoto/

(*8)

鎌倉の小学校花壇からプラ分解微生物 慶大と市、ストロー使った実験で発見 https://www.kanaloco.jp/news/life/article-1128566.html

〈カナロコ(神奈川新聞)〉

(*9)鎌倉サーキュラーアワード

鎌倉サーキュラーアワード
鎌倉サーキュラーアワードは「ゼロ・ウェイストかまくら」を礎として、さらなる「循環者になるまちづくり」へ、そして「循環型ビジネス(サーキュラーエコノミー)」創出を活性化していくことを目指して、それぞれの取り組みを披露して磨きあい、高めあうことを目的としたアワードです。「市民部門」「スタートアップ部門」「事業者部門」の3部...

〈鎌倉サーキュラーアワード ホームページ〉

鎌倉サーキュラーアワードを実施しています

https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/seisaku-souzou/award-junkansha.html 〈鎌倉市 ホームページ〉

 

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