コロナウィルス検査と感染者数の数値の整理

新型コロナウイルスが社会的に大きな猛威となっています。数字を扱うことが多い立場から、厚労省発表のデータをもとに、PCR検査数と陽性者数の関係を図示してみましたので、皆様の議論にお役立てください。
単純に厚労省発表の累積数(クルーズ船を除く)を棒グラフにすると、下図のようになります。

この図はすでにネット上にもよく見られ、それに対する考察、コメントも多数出されています。
これを、一日ごとで整理してみて、一日のPCR検査数に対して新規の陽性者の関係を取ってみました。なお、3月4日はそれまで一日100台だった検査数が急に3800以上に突出したため(その後数百台にもどる)、検査数は対数(桁)で表しています。

上の図では検査数が増えても陽性者数は増えないように見えましたが、どうもそれは3月4日の特異な検査数の増加が累積の視覚的効果を大きく左右しているためで、検査数が増えると陽性者数が増える傾向は否めないようです。
ただ、この分野の専門出ないので理由はわかりませんが、この増加率はいまのところ検査数の対数に対してほぼリニアな相関関係が認められるようです。
理論的背景もなく外挿を行うのは危険ですが、
①検査がランダムに行われている。(実際は感染の危険のある重篤者中心)
②現在の傾向が検査数が増えても維持される
③その中でもより陽性者数が多くなる傾向で外挿する(比例の傾きをの大きい方をとる)
との、大胆な過程で、1億件の検査まで外挿してみたのが下の図です。

この仮定では、今日もし一気に1億件の検査ができたとしたら、新たに発見できる陽性者は200人程度という結果になります。

これは、疫学、病理学、感染学を知らない数字を扱うだけの結果です。また解釈の仕方も多用にあると思います。また、今後も同じ傾向が進むかウォッチングも必要です。ただ、多面的で多様な議論こそが問題解決に有効であることはこれまでの歴史が教えています。この解析もその一つとして役立てれば幸いです。このもととなるデータを厚労省が系統的に公開してくださっているのに感謝しています。

文責・分析 原田幸明

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